祖父母が出せるお金はどこまで?こどもNISAと贈与税の関係【第3回/全7回】
公開:
第3回/全7回
「孫のために、こどもNISAにお金を出してあげたいんだけど~」
おじいちゃん、おばあちゃんから、こんな声をかけられるラッキーなお家があるかもしれませんね♪
トラ母さんのお家には今のところ来ていませんが…泣
めちゃくちゃありがたい話ですが…
贈与税のルールを知らずに受け取ると、あとで困ることがないように要注意です!
この記事では、祖父母からの援助で気をつけたいポイントをまとめました。
基本は「1人あたり年110万円まで」
贈与税には、1年に110万円の基礎控除があります。
もらった人(ここでは子ども)が1年間に受け取ったお金の合計が110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も不要です。
ここで大事なのは、もらう人ごとに合計で数えるということです。
補足(2026年10月確認):ここで説明しているのは暦年課税です。1月1日から12月31日までに受けた贈与を、贈与者ごとではなく受け取る人ごとに合算します。相続時精算課税を選んでいる場合は別の取扱い・手続があります。
公式情報:国税庁 複数の人から贈与を受けたとき / 国税庁 贈与税がかかる場合
| 誰から | 金額(子ども一人当たり) |
|---|---|
| パパ・ママから(こどもNISA) | 60万円 |
| おじいちゃん・おばあちゃんから | 60万円 |
| 子どもが1年でもらった合計 | 120万円 → 110万円を超える |
このように、家族それぞれは1年に110万円の基礎控除の範囲内でも、合計すると110万円を超えてしまうことがあるかもしれません。幸せな悩みですよね~
こどもNISAの上限は、子供一人当たり年60万円なので、親か祖父母のどちらかがNISA分を出し、もう一方は別の形にするなど、合計額を意識しておきたいですね。
補足(2026年10月確認):こどもNISAは2027年開始で、年間投資枠は買付金額で60万円です。上の表は贈与額の合計の例であり、120万円をこどもNISAに投資できるという意味ではありません。別の口座で受け取った贈与も合算します。NISAの運用益の非課税と贈与税は別の制度です。
公式情報:SBI証券 こどもNISAの制度・未成年口座の管理
注意① 「定期贈与」とみなされないように
「毎年100万円ずつ、10年間あげるね」と最初に約束していると、最初から1,000万円をあげる約束をしたとみなされる場合があります。これを定期贈与といいます。
対策としてよく紹介されているのは、次のような方法です。
毎年、そのつど贈与契約書を作る
金額や時期を、毎年まったく同じにしない
補足(2026年10月確認):国税庁は、毎年その都度の契約に基づく贈与と、最初から複数年の給付を約束した契約を区別しています。金額や時期を変えるだけで判断されるものではありません。事前の約束がある場合は、約束をした年に「定期金に関する権利」の贈与として課税されることがあります。
注意② 「名義預金」にならないように
子ども名義の口座でも、実際には親や祖父母が管理していて、子どもが知らないお金は、「名義預金」として、親や祖父母の財産とみなされることがあります。
公式情報:国税庁 相続税の申告のしかた「家族名義の財産は?」(PDF・3ページ)
こどもNISAは、12歳までは原則引き出せない仕組みなので、普通の子ども名義の預金とは性質が違うと解説されています。
補足(2026年10月確認):SBI証券は、未成年口座を親権者が管理すると案内しています。国税庁の資料では名義だけでなく資金の出所などから財産の帰属を確認しており、親が管理することだけで一律に判断しないよう、贈与の実態を確認してください。払出しはその年の3月31日時点で12歳となる年以降、教育費・生活費のための所定の条件付きです。12歳未満にも災害・疾病等の例外があります。
公式情報:SBI証券 こどもNISAの制度・未成年口座の管理
払出し条件の整理は第1回:こどもNISAとは?をご覧ください。
それでも、次のことをしておくと安心です。
お金の流れがわかるように、銀行振込で記録を残す
贈与契約書を作っておく
子どもが大きくなったら、「あなたのためのお金だよ」と伝えておく
注意③ 「教育資金の一括贈与(1,500万円まで非課税)」は使えなくなりました
以前は、祖父母から孫へ教育資金をまとめて渡すと、1,500万円まで贈与税がかからない特例がありました。
公式情報:国税庁 教育資金の一括贈与の非課税
この特例は、2026年3月末で新しく始めることができなくなったと報じられています。
公式情報:文部科学省 教育資金の一括贈与の非課税措置・終了の案内
補足(2026年10月確認):文部科学省は、期限が延長されず2026年3月31日に終了したと案内しています。2026年4月1日以降の新たな適用はありませんが、期限内に適用を受けた教育資金は、引き続き制度に沿って取り扱われます。
こどもNISA以外の援助の方法は?
教育費を、必要なときに直接払ってもらう
祖父母などが、必要なときに、その都度、教育費を「直接」払う場合は、通常は贈与税がかからないとされています。
たとえば、入学金や授業料を、学校に直接振り込んでもらう方法です。
ただし、まとめてもらって貯金したり、投資に回したりすると、贈与税の対象になる場合があるそうなので注意したいですね。
補足(2026年10月確認):対象は、扶養義務者から受ける通常必要と認められる教育費で、必要な都度、直接その費用に充てるものです。学校への直接振込は一例です。教育費という名目でも、預貯金やNISA投資に回すお金はこの非課税の対象になりません。
相続のときのルールも知っておく
亡くなる前の一定期間(最長7年)の贈与は、相続財産に足し戻されるルールがあります。
補足(2026年10月確認):最長7年への延長には経過措置があります。相続開始が2026年末までは原則3年、2027〜2030年は2024年1月1日から死亡日まで、2031年以降は原則7年です。加算対象期間内の贈与は、年110万円以下でも加算対象になることがあります。
ただし、このルールが当てはまるのは、原則として相続や遺贈で財産を受け取る人です。
祖父母から孫への贈与は、孫が相続人でなければ対象外になることが多いとされています。
補足(2026年10月確認):孫が法定相続人でなくても、遺言による遺贈や、祖父母が保険料を負担した死亡保険金を受け取る場合などは、贈与の加算対象になることがあります。
公式情報:国税庁 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税) / 国税庁 相続税の課税対象になる死亡保険金
ご家庭によって状況が違うので、気になる場合は確認してみてください。
まとめ
贈与税の基礎控除は、もらう人1人あたり年110万円
親と祖父母からの合計で110万円を超えないよう注意
定期贈与・名義預金とみなされないよう、契約書と振込記録を残す
教育資金の一括贈与の特例は、新しく始められなくなった
教育費を必要なときに直接払ってもらう方法もある
税金の扱いは、家庭の状況によって変わります。金額が大きい場合や不安な場合は、税理士や税務署に相談してくださいね。
※この記事は2026年10月時点の情報をもとにした一般的な説明です。個別の税務判断については、税理士または税務署にご確認ください。
制度の内容が変わったら更新します。